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ふれない

もう触れない
あなたを連想させるもの全て
もう触れない
あなたの思い出の跡

触れて思い出す痛みで
確かに在った恋の感触を
実感しようとするのはもうやめだ

そんなもの
宇宙の彼方に放っておけばいい
Author: しゅが 
言の葉 |
 
 

またね

「またね」と笑って
傘をくるんと翻してお互い違う帰り道をてくてく。

昔は逢えるのは当たり前だったから
逢ったあとに思いもしなかった
「今日はありがとう」なんて

ありがとう、思ったときに言える人でいようと
照れくさい人にも、照れながらでもいいからと
小さく誓う

色々やりたくないことも、やりたいことのためにやらなくてはならなくて
時間も日を追うごとに短く感じて
一日は振り返ってみれば、もうとっくの向こう側

色々な変化が、私を一人、子供のままに置き去りにしていく様で
素直になれないときも在るんだ
判ってくれてるかもしれないけれど

いつでも同じように話して
あっという間に空白の時間を取り戻して
あっという間に時間は過ぎて

それで「またね」って家に帰る
そんなのもいいなと思った
前は寂しいだけだったのにね

最後の傘くるんが良かったのかな
明るい気分のままお別れ
Author: しゅが 
言の葉 |
 
 

春の思い出

さよなら
桜色の絨毯の上で
ほころぶように笑った人

さよなら
花筏の続く川面を
眺める私を想った人

さよなら
風に舞ってしまいそうな足取りで
静かに道を踏みしめた人

私は今も同じ場所
ただ手を振る
ただ聞こえたように頷く
ただただ見えない影を見送る

Author: しゅが 
言の葉 |
 
 

静かに騒がしい

百合の香りが、あまりに騒いで
夜の眠りを妨げる

百合の香りがあまりに騒ぐので

私の頭の中や胸の中は
ざわざわと
駆り立てられて
転がされて
ぽーんと白い虚空に
放り出されたまま

そこで為す術もなく
佇めと私に告げている

記憶のひだに絡み付いてほぐせない
あの夜明けの香り

夜にしては薄明るくなった猥雑な小道は
朝にしては薄闇のヴェールを纏って妙に美しく
確かでない視界の中で
ただ何処かしらの庭先に咲いているであろう百合の匂いが
繋いでいた手を一層温かく意識させた

だから百合は
百合の香りは

部屋の蛍光灯の中でなく
闇の中でこそ

私を起こし続ける

あの夜を思い出してと
薄闇の中で私を責める
Author: しゅが 
言の葉 |
 
 

花のように殺す

逢う度に好きだと思うあの人
帰る度に駄目だと沈む思慕

もうささやかな秘密も共有してはいない
あの頃のあの人はどこにもいない

その事実に気づかない振りをする私
ただひとつの通路を閉ざす春の宵

もしかしたらあの人も私の知らない何処かで
同じことを想ったのかも知れない

そのサインを見逃したのは私
ひょっとしたらあのときの沈黙

そうと知られることのない
それぞれの各々のきっかけ
始まる前に終わらせるための
見逃しやすい兆し

だからせめて

あの気持ちの記憶を
花のように殺して

雨のように無に帰して
諦観をこの胸に孵して
なるべくやさしく残酷に。
Author: しゅが 
言の葉 |
 
 

その力強さがその時の愛情の激しさだった

そのむかし
なぜと私にまっすぐな瞳で
なぜと腕をつかんだその人は
普段のその人からは想像もできないような力で
その瞬間、彼はきちんと男の子だったのだと
その瞬間、目の前で風船が弾けたみたいに気づいて
私は目をそらすしかなかった

後にも先にも、私に強い力で触れたのはその一度だけ
私を歩道側に寄せるときも
私と何かを話すときも
もれなく「強い」という表現から遠かった
手をつなぐことさえなかった彼

久しぶりに逢っても穏やかな彼の笑顔を見ていたら
ああ、あの瞬間が、彼の精一杯の有り余る気持ちだったのだと気づいて
今更申し訳ない気持ちでいっぱいになった

相手が「知らない」ということは残酷だ
相手に責めどころさえ与えない分だけ

相手が「知ろうとしない」ほうが、まだ救われる
知ろうとしないという意思のもとに在ることを責めることができる分だけ


あの時の力強さが彼の秘めたる愛情の激しさだった
Author: しゅが 
言の葉 |
 
 

12月の昼下がりに感じたこと

強い探究心が邪魔をして
小難しいことばかり考えてる、と、君は笑うだろ
簡単にしないほうが楽なこともあるの
難しいからと踏み込まないよう必要ないいわけ

強い好奇心が邪魔をして
引き返せないことがある?、と、君は思うだろ
戻る道がないほうがいいこともあるの
自分に逃げ道を与えないよう執拗な幕開け

私ばかりが手の内を見せて負けたような気になる時もあったけれど
私ばかりが手の内を見せて見せてそのままでいようと思った

真実を語ろうとして苦しいほうがいい
すべてを語るわけではないけれど
語るならせめて真実を、と
招く誤解もすべて引き受けて
思ったことは口にしていこうと思った
大切な人たちだけには

好きでもいいし、愛しててもいい
誤解されるかもしれないけれど真実だよ
Author: しゅが 
言の葉 |
 
 

秋風

秋風が来て少し心が落ち着く
あんなにざらざらした、灼熱の昼下がりは鬱陶しいだけ

秋風が来て少し心が染み積もる
夕暮れに匂う季節感は焦燥と落胆
それに安堵する私

闇夜に愁雲
濃紺のグラデーション
とろけゆく雨音が訪れるに違いない

霧雨が顔を撫でるが
慰められた気にはなってはならない
それで気を済ませてはならない

霧雨に呼吸を与えられた気がしても
ひとこと感謝を漏らすほどにとどめて
まだ一緒にとろけゆくわけには行かない

来たる朝に備えよう
きっと眩しく厳しく照りつけるから
Author: しゅが 
言の葉 |
 
 

あれは恋だった

突然届くメールで
空白の時間を一瞬で埋める
ああ あの時を 想って
今日まで来てくれたのね

ずっと考えていてくれたわけじゃない
そんなのは知ってる

それでも
時折思い出して
このメールを送る一瞬のために
彼が日々を費やしてきた数々を
思えば
胸がわずかに締めつけられる

言葉にしたら終わりそうで
言葉にすることはない
たぶん この先ずっと

それでいい
それがいい
Author: しゅが 
言の葉 |
 
 

内なるもの

心の中にあるものが
形を成して外へ出よう出ようとするまさにその混沌たる渦が
物体のように胸元に痞えて苦しい

形を成したと思うと既に違う形を形成しようとぐにゃりとする
抽象画か
自己満足の芸術映画か
他者の想像力と解釈をもって初めて理解される
されたような気になる
あるいはまるで掠りもしない

モノをモノとするために必要な皮膜
それがない限り外形が定着してくれない

まったくもってハタ迷惑で厄介な才能たち
良くも悪くも 稀少でも凡庸でも
それを才能と呼ぶのならば。
Author: しゅが 
言の葉 |